製薬会社による臨床データ
まず参考になるのはプロペシア開発元のメルクにより臨床結果です。海外で行われたプロペシアの長期服用臨床データがこちらです。
プロペシア®錠:臨床効果 プロペシア®情報サイト | MSD株式会社
■抜け毛進行抑制・発毛効果(毛髪数):5年後<参考:海外データ>)
プロペシア®錠の投与で5年間の各評価時点において抜け毛の進行を抑え、髪の毛の本数を有意に増加させました。一方、プラセボ群では抜け毛が進行し、髪の毛の本数が有意に減少しました。
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プラセボ群(有効成分が入っていない偽薬のこと つまりプロペシアを服用していない人)と比べると服用開始5年後の毛髪量の差は歴然としており、プロペシアはAGA治療に大変効果的である事がわかります。
ピークは服用から1年後?
ここで注目してほしいのはプロペシア服用者の毛髪量は服用開始1年後をピークに徐々に減少しているという点です。もちろんそれでも服用開始時に比べると毛髪量は増えていますし、プラセボ群と比べると明らかに効果はあるのですが、それでも長期に渡って服用を続けると徐々に効果が薄れてしまうのが現実のようです。
実際に5年間服用されたお医者様の写真
2005年12月よりプロペシアをご自分で服用されているお医者様が貴重な写真をブログに掲載していますので一部引用させていただきます。写真についてはブログで直接ご確認ください。服用時より改善はしているものの、頭打ちとなっている様子が伺えます。
プロペシアの限界が見えたか? -男性型脱毛症に対する5年間の治療効果- 院長ブログ
1年おきに撮影された写真を比較してみると、毛髪量は2008年あたりをピークに、2009年にかけてわずかに減少し、2010年では1年間でかなり減少したことがわかる。内服開始1年後の2006年当時よりはまだ多いと思われるが、内服しているにもかかわらず明らかに毛髪量は減少している。男性においては年齢とともに毛髪量が減るのは生理的なので、プロペシアがその生理的な現象を抑制している可能性はあるが、増毛効果はこれ以上期待できないと思われる。
以上より、プロペシアの効果には限界があり、年齢的な変化を凌駕することはできないという結論に至った。
デュタステリドとフィナステリドの相互服用
このようにAGA治療に大変効果が高いプロペシア(フィナステリド)でも長期服用によって効果が薄れていくことがわかってきています。そこで、フィナステリドと似た作用を持つデュタステリド(商品名アボルブ:海外商品名アボダート)をフィナステリドの代わりに服用すれば効果が維持できるのではないかという考え方もあります。デュタステリドはAGAの原因5αリダクターゼへの抑制効果がフィナステリドよりも高いので、もしフィナステリドの長期服用に限界を感じている方は切り替えを検討してもいいかもしれません。